2015年11月18日水曜日

新・映像の世紀「第一次世界大戦」を見て

 新・映像の世紀「第一次世界大戦」を見て、「第一次世界大戦の大きな流れを分かり易く説明していて素晴らしい!」と思ったのだが、世間の評判は「編者の意図が押しつけがましい」「旧シリーズは事実を淡々と繋いでいてそれが良かった」という声が多く、賛否両論らしい。

 なので再放送で 旧作「映像の世紀」を見てみた。第一次世界大戦は「第2集 大量殺戮の完成」で描かれている。

 大きな違いは新シリーズがアラビアのロレンスを軸としたオスマントルコ領土に関するイギリスの三枚舌外交についての説明を大きく割いていること。  今日に続く中東の民族問題や宗教戦争のきっかけがこれにあったとするという流れで番組は構成されている。旧シリーズはアラビアのロレンスとパレスチナにさらっと触れただけで特にフォーカスはしていない。

 前作が制作された1995年は湾岸戦争後だしパレスチナ問題も相変わらずモメてはいたが、日本人の感覚からすると当時はそんなにこの地域はフォーカスされてはいなかったと思う。 それが今やISやシリア難民などの問題で採り上げられることが多く、その世相が反映されているのかなあと思っていたら、フランスでテロがあって然もありなんと思った。
 同じ映像を用いていても時代によって描かれ方は違う。ドキュメンタリーといっても編者の意図によって偏向はある。今回二つの「映像の世紀」を見比べることで「第一次世界大戦」が多面的にみれて理解がより深まった。
NHKにはこの調子で20年おきに「映像の世紀」を制作して欲しい。

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